求子(読み)もとめご

精選版 日本国語大辞典 「求子」の意味・読み・例文・類語

もとめご【求子】

東遊(あずまあそび)歌曲一つ駿河舞(するがまい)とともに東遊の中心をなす。現在、寛平元年(八八九賀茂臨時祭藤原敏行の作った歌詞を伝えるが、これはもとの歌曲によって新作したもの。このほか神社ごとに歌詞が作られた。求子歌(もとめごうた)
※枕(10C終)二一六「舞は 駿河舞。もとめご、いとをかし」

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改訂新版 世界大百科事典 「求子」の意味・わかりやすい解説

求子 (もとめご)

雅楽の一種目である〈東遊(あずまあそび)〉の一部分で,駿河舞とともにその頂点をなす。伴奏の歌を〈求子歌(もとめごのうた)〉,舞を〈求子舞〉という。次第は,笛(現在は高麗(こま)笛)と篳篥(ひちりき)で短い〈求子歌出(もとめごのうただし)〉,ついで求子歌(求子舞)となる。歌詞は,宮中で奏される時は〈ちはやぶる 神の御前の姫小松 あはれあはれの姫小松〉。神社に奉納される場合には,第2句を〈このみやしろの〉などと,それぞれくふうされる。東遊に求子が編入されるようになったのは10世紀中ごろのことである。舞人は巻纓(まきえい)の冠に緌(おいかけ)をつけ,季節の花を挿頭(かざし)とし,青摺の袍を着て太刀を佩(は)く。
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