汝自らを知れ(読み)なんじみずからをしれ

精選版 日本国語大辞典 「汝自らを知れ」の意味・読み・例文・類語

なんじ【汝】 自(みずか)らを知(し)

デルフォイアポロン神殿玄関の柱に刻まれていたといわれることばソクラテス以前は、自分分限を知れという処世格言として解釈されたが、ソクラテスは、自分の無知を自覚して魂を育成していくようにという倫理的要求として解釈した。

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デジタル大辞泉 「汝自らを知れ」の意味・読み・例文・類語

なんじみずからを

自分の無知を自覚し、自分の心を高めるように励め。ソクラテスの行動上の標語で、アポロ神殿に掲げられていたという。

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故事成語を知る辞典 「汝自らを知れ」の解説

汝自らを知れ

自分をよく知ることの大切さを述べたことば。

[使用例] 「汝自らを知れ」というギリシア古言には、かえすがえすも深い意味がある。オレ自らを知ることもむつかしいのだから、誰もオレのやったことなど知るわけもない[三島由紀夫*不道徳教育講座|1959]

[由来] 古代ギリシャのデルフォイという都市にあった、アポロン神殿の玄関の柱に刻まれていたとされることばから。二世紀のギリシャの旅行家、パウサニアスの「ギリシア案内記」で紹介されています。もともとは、自分の分限をわきまえよという処世の格言として解釈されていましたが、紀元前五~四世紀のギリシャの哲学者、ソクラテスは、自分の無知を自覚せよという、人格修練のためのことばとして解釈し直し、以後の哲学に大きな影響を与えました。

〔異形〕汝自身を知れ。

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