江南糸竹(読み)こうなんしちく

百科事典マイペディア 「江南糸竹」の意味・わかりやすい解説

江南糸竹【こうなんしちく】

中国の上海を中心に江南地方で行われる管弦合奏。中国語ではジアンナンスージュー。楽器編成は二胡(アルフー。胡琴参照)と笛子(ディーズ)の最低2人でことたりるが,多くて8人までで,柔軟性がある。弦楽器では小三弦(シヤオサンシエン。三弦参照),琵琶ピーパー),洋琴(ヤンチン),管楽器では洞簫(ドンシヤオ,参照),(ション),打楽器は鼓(グー),木魚(ムーユイ)など音の小さなものが用いられる。各楽器はそれぞれの特性にもとづいて,基本旋律から大きくはずれないようにしながら,即興的に演奏する。

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世界大百科事典(旧版)内の江南糸竹の言及

【吹打】より

…糸竹は胡弓,三弦,琵琶,揚琴,箏に笛,笙などと小音量の打楽器を加え優美で装飾の多い演奏をする。江南糸竹,広東小曲,福建南音,四川揚琴が著名で,とくに都市の文人に愛好された。弦索は弦楽器のみの合奏で,北京の北方弦索,潮州箏譜など典雅なものだが,今日では《弦索十三套》ほか,わずか数曲が演奏されるにすぎない。…

※「江南糸竹」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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