江戸湯船(読み)えどゆぶね

精選版 日本国語大辞典 「江戸湯船」の意味・読み・例文・類語

えど‐ゆぶね【江戸湯船】

〘名〙
江戸銭湯浴槽。京坂のものより狭く、奥行浅い。周りに腰掛けがなく、また、石榴口(ざくろぐち)と浴槽の間も狭かった。
② 江戸時代、廻船出入りの激しい繁華な港で、廻船の乗組員乗客のために浴室を設けた船を造り、入浴銭をとって商売とした船を湯船といった。江戸の川筋のものがその代表とされたのでこの名がある。〔和漢船用集(1766)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の江戸湯船の言及

【銭湯】より

…5月5日の菖蒲湯(しようぶゆ),冬至の柚子湯(ゆずゆ)などはいまも行われているが,明治以前は盆と正月の藪入り(やぶいり)の日にはその日の売上げを三助の収入とする〈貰湯(もらいゆ)〉も行われていた。なお,これは江戸にかぎらず船の出入りの多い港ではどこでも見られたものだが,一種の移動式銭湯とでもいうべき〈江戸湯船(えどゆぶね)〉,あるいは単に〈湯船〉と呼ぶものがあった。小舟の中に浴室を設け,停泊中の船の間を漕ぎまわり,湯銭をとって船員たちに入浴させたものである。…

※「江戸湯船」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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