池内宏(読み)いけうちひろし

精選版 日本国語大辞典 「池内宏」の意味・読み・例文・類語

いけうち‐ひろし【池内宏】

東洋史学者。文学博士東京出身。東京帝国大学卒業、のち、同校教授東北アジア古代中世史研究。著に、「元寇の新研究」「満鮮史研究」。明治一一~昭和二七年(一八七八‐一九五二

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デジタル大辞泉 「池内宏」の意味・読み・例文・類語

いけうち‐ひろし【池内宏】

[1878~1952]東洋史学者。東京の生まれ。東大教授。朝鮮満州史および朝鮮の遺跡調査に業績がある。著「満鮮史研究」など。

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改訂新版 世界大百科事典 「池内宏」の意味・わかりやすい解説

池内宏 (いけうちひろし)
生没年:1878-1952(明治11-昭和27)

朝鮮史,満州史の研究者。1904年,東京帝国大学文科大学史学科を卒業し,09年,満鉄の学術調査部に入り,白鳥庫吉の指導下に津田左右吉,稲葉岩吉らとともに朝鮮・満州の歴史地理を研究した。13年,東京帝国大学文学部講師,16年助教授,25年教授になり,39年に定年退職。その間,37年には帝国学士院会員になった。彼の研究視角は朝鮮史と満州史を一体とみる〈満鮮史〉であり,研究対象は前近代の政治史・戦争史であったが,研究方法は論理主義ともいうべきもので,論理整合を求めて史料を徹底的に批判する点に特色があった。著書に《文禄慶長の役》正編第1(1914)・別編第1(1936),《元寇の新研究》(1931),《通溝》(1938),《日本上代史の一研究》(1947)などがあり,論文は《満鮮史研究》5冊に収録されている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「池内宏」の意味・わかりやすい解説

池内宏
いけうちひろし
(1878―1952)

東洋史学者。東北アジア(いわゆる満州、朝鮮)および日本の古代史の研究で優れた業績を残した。1904年(明治37)東京帝国大学文科大学史学科を卒業、1916年(大正5)助教授となり、初設の朝鮮史講座を担当。1922年(大正11)教授となり、多くの論文の執筆と有能な後進育成に努めた。1937年、帝国学士院会員に推された。また南満州鉄道株式会社調査部の依頼による古代史研究面でも大きく貢献した。主要著書に『満鮮史研究』全6冊、『文禄慶長(ぶんろくけいちょう)の役』『元寇(げんこう)の新研究』全2冊、『日本上代史の一研究』などがある。

[村山正雄]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「池内宏」の解説

池内宏 いけうち-ひろし

1878-1952 明治-昭和時代の東洋史学者。
明治11年9月28日生まれ。池内大学の孫。明治42年満鉄調査部にはいり,白鳥庫吉(くらきち)のもとで朝鮮,満州(中国東北部)の歴史地理を研究。大正14年母校東京帝大の教授。昭和4年設立の東方文化学院でも後進を指導した。学士院会員。昭和27年11月1日死去。74歳。東京出身。著作に「満鮮史研究」「文禄(ぶんろく)慶長の役」など。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「池内宏」の意味・わかりやすい解説

池内宏
いけうちひろし

[生]1878.9.28. 東京
[没]1952.11.1. 東京
東洋史学者,文学博士。 1904年東京大学史学科卒業。南満州鉄道株式会社の調査部に入り,のち東京大学に移り,25年教授。朝鮮・満州史を専攻。主著『元寇の新研究』 (1931) ,『満鮮史研究』 (中世編,37,上世編,51) 。

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