沈香も焚かず屁もひらず(読み)ジンコウモタカズヘモヒラズ

デジタル大辞泉 「沈香も焚かず屁もひらず」の意味・読み・例文・類語

沈香じんこうかずもひらず

特によいところもないが、悪いところもなくて、平々凡々であることのたとえ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「沈香も焚かず屁もひらず」の意味・読み・例文・類語

じんこう【沈香】 も 焚(た)かず屁(へ)もひらず

役にも立たないが害にもならないこと、よい事もしないが悪い事もしないこと、可もなく不可もなく平々凡々であることなどのたとえ。じんこも焚かず屁もひらず。
※雑俳・柳多留拾遺(1801)巻一一「榊もち沈香もたかずへもひらず」

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ことわざを知る辞典 「沈香も焚かず屁もひらず」の解説

沈香も焚かず屁もひらず

特によいこともしないが悪いこともしない。人の役にも立たないが害にもならない。可もなく不可もなく平凡に生きる人物のたとえ。

[使用例] 適当に家業を手つだい、適当に小説反故をこしらえ、誰の邪魔もせず、誰にも邪魔をされず、「沈香も焚かず、屁もひらず」という諺を、絵にかいたような男であった[三島由紀夫*永すぎた春|1956]

[解説] 沈香は「じんこ」ともいい、香の一種で、同名のジンチョウゲ科の常緑高木から取れます。特に良質のものをきゃと呼び、ことわざにも「伽羅」とした例があります。「ひらず」は「こかず」ともいい、卑俗な「屁」を持ち出すことによって揶揄的な意味合いが生じています。

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