没却（読み）ボッキャク

デジタル大辞泉

ぼっ‐きゃく【没却】

［名］(スル)無視すること。念頭におかないこと。「自我を没却する」

もっ‐きゃく【^▽没却】

なくすこと。損失。ぼっきゃく。
「親方の―あり、わが身上の滅却あり」〈浄・油地獄〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

ぼっ‐きゃく【没却】

〘名〙

① なくすこと。無視すること。念頭におかないこと。もっきゃく。〔和英語林集成（再版）（1872）〕

※海潮音（1905）〈上田敏訳〉ルコント・ドゥ・リイル評「芸術の第一義を没却したるものなり」

② うずもれて見えなくなること。かくれること。

※土（1910）〈長塚節〉二五「日が西の空の〈略〉雲の端に近く据って漸次に没却(ボッキャク)しつつ瞬いた」

もっ‐きゃく【没却】

〘名〙 なくすこと。また転じて、損失。損害。ぼっきゃく。

※雑俳・削かけ（1713）「おがまるる・舟はもっきゃく皆とぎゃく」

出典　精選版 日本国語大辞典