朝日日本歴史人物事典 「沢村田之助(2代)」の解説
沢村田之助(2代)
生年:天明8(1788)
江戸後期の歌舞伎役者。俳名曙山。屋号紀伊国屋。3代目沢村宗十郎の3男。寛政5(1793)年江戸中村座で沢村鉄之助の名で子役として初舞台。その後父と共に上方へ上る。享和2(1802)年2代目沢村田之助を襲名。色子から若女形となり,子供芝居で活躍する。文化3(1806)年京都南側芝居布袋屋座で大芝居に初めて出勤。3代目瀬川菊之丞風の器用な芸で若女形の花形となったが,30歳の若さで病死した。美貌の持ち主で,また舞台衣裳が見事であったという。地芸,所作,時代,世話と何でもこなす芸域の広さがあり,三都で人気が高かった。
(加藤敦子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報