河竹繁俊(読み)カワタケシゲトシ

デジタル大辞泉 「河竹繁俊」の意味・読み・例文・類語

かわたけ‐しげとし〔かはたけ‐〕【河竹繁俊】

[1889~1967]演劇研究家。長野の生まれ。黙阿弥もくあみ家の養嗣子坪内逍遥つぼうちしょうよう師事。早大演劇博物館館長として活躍。著「歌舞伎史の研究」「日本演劇全史」など。

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精選版 日本国語大辞典 「河竹繁俊」の意味・読み・例文・類語

かわたけ‐しげとし【河竹繁俊】

演劇研究家。長野県出身。黙阿彌(もくあみ)の後嗣。坪内逍遙に師事。早稲田大学教授。演劇博物館長。日本芸術院会員。著「日本演劇全史」「歌舞伎史の研究」「河竹黙阿彌」など。明治二二~昭和四二年(一八八九‐一九六七

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「河竹繁俊」の意味・わかりやすい解説

河竹繁俊
かわたけしげとし
(1889―1967)

演劇研究家。文学博士。長野県飯田の生まれ。旧姓市村。1911年(明治44)早稲田(わせだ)大学英文科卒業。同時に坪内逍遙(しょうよう)主宰文芸協会演劇研究所を修了して同協会の新劇運動参加。同年逍遙の斡旋(あっせん)で河竹黙阿弥(もくあみ)の長女糸(いと)の養嗣子(ようしし)となる。20年(大正9)帝国劇場に入り技芸学校主事。早稲田大学坪内博士記念演劇博物館設立尽力し、28年(昭和3)開館後副館長、のち館長となる。また早稲田大学教授として演劇史ほかを講じ、46年(昭和21)芸術学専攻科(演劇科)設置とともにその主任となる。60年『日本演劇全史』で学士院賞受賞。62年芸術院会員、67年文化功労者となる。おもな編著に『河竹黙阿弥』、『坪内逍遙』(共著)、『歌舞伎(かぶき)作者の研究』、『歌舞伎史の研究』、『演劇百科大事典』全6巻、『逍遙、抱月(ほうげつ)、須磨子(すまこ)の悲劇』など。

[菊池 明]

『河竹登志夫著『作者の家』(1979・講談社)』

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百科事典マイペディア 「河竹繁俊」の意味・わかりやすい解説

河竹繁俊【かわたけしげとし】

演劇研究家。長野県生れ。早大英文科在学中より文芸協会新劇運動に参加。1911年,河竹黙阿弥家の養子となった。早稲田大学演劇博物館館長,早大教授として活躍,複雑な日本演劇史を体系づけた。《歌舞伎史の研究》(1943年),《日本演劇全史》(1959年),《河竹黙阿弥》,編著《黙阿弥全集》などがある。
→関連項目河竹登志夫

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改訂新版 世界大百科事典 「河竹繁俊」の意味・わかりやすい解説

河竹繁俊 (かわたけしげとし)
生没年:1889-1967(明治22-昭和42)

演劇研究家。旧姓市村。長野県飯田生れ。早稲田大学英文科・文芸協会演劇研究所卒業。河竹黙阿弥家の養嗣子。帝国劇場文芸部,同技芸学校主事を経て,早稲田大学演劇博物館館長,早大名誉教授。文学博士。芸術院会員。東西の芸能に通じた広い視野から,日本演劇とくに歌舞伎の史的研究と啓蒙に尽くした。主著《河竹黙阿弥》《歌舞伎史の研究》《歌舞伎作者の研究》《日本演劇全史》等。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「河竹繁俊」の意味・わかりやすい解説

河竹繁俊
かわたけしげとし

[生]1889.6.9. 飯田
[没]1967.11.15. 東京
演劇研究家。早稲田大学英文科卒業。坪内逍遙に師事,文芸協会演劇研究所を経て河竹黙阿弥の家に養子となり,特に歌舞伎史を研究。早稲田大学坪内博士記念演劇博物館の建設に努力し,30年間館長を務めるとともに,同大学で教鞭をとる。第2次世界大戦後は国立劇場の設立にも尽くした。 1962年日本芸術院会員,1967年文化功労者。主著『河竹黙阿弥』 (1914) ,『歌舞伎史の研究』 (1943) ,『日本演劇全史』 (1959) 。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「河竹繁俊」の解説

河竹繁俊 かわたけ-しげとし

1889-1967 大正-昭和時代の演劇学者。
明治22年6月9日生まれ。河竹黙阿弥家の養嗣子。文芸協会の新劇運動に参加。昭和3年の早大演劇博物館設立に尽力,早大教授となり,のち館長をかねた。35年「日本演劇全史」で学士院賞。芸術院会員。42年文化功労者。昭和42年11月15日死去。78歳。長野県出身。早大卒。旧姓は市村。著作はほかに「歌舞伎史の研究」など。

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