沿岸警備隊[アメリカ合衆国](読み)えんがんけいびたい[アメリカがっしゅうこく](英語表記)United States Coast Guard

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

沿岸警備隊[アメリカ合衆国]
えんがんけいびたい[アメリカがっしゅうこく]
United States Coast Guard

海洋法の執行を担当するアメリカ軍内の軍事組織。約3万 5000人の将校と志願兵,および文官で構成される。国土安全保障省の管轄に属するが,戦時には大統領の指揮下に置かれ,海軍の一部として機能する。 1790年,当時の財務長官アレクサンダー・ハミルトンにより徴税海上部隊 Revenue Marine Serviceとして設立された。その後,税関監視船隊 Revenue Cutter Serviceと改称され,1915年に救難隊 (1878設立) と統合されて沿岸警備隊となった。当初は財務省の管轄下に置かれたが,1967年運輸省に移管。 2003年国土安全保障省の管轄に移った。平時の任務は船舶およびその設備の点検,灯台や灯台船,浮標 (ブイ) ,およびロラン局 (→ロラン ) やラジオビーコンなどの電子航行援助システムの管理・運用などである。広範な救助艇のネットワークと,水上艦艇および航空機を備えた捜索救難拠点を有する。戦時の任務としては艦隊の護衛,港湾の警備,輸送要員の配備などがある。沿岸海域を経由してアメリカに密輸される違法薬物の取り締まりの支援も行なう。

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