法律要件(読み)ほうりつようけん

精選版 日本国語大辞典 「法律要件」の意味・読み・例文・類語

ほうりつ‐ようけん ハフリツエウケン【法律要件】

〘名〙 一定法律効果が生ずるために必要とされる事実契約などのように数個法律事実結合から成る場合と、遺言出生などのように一個の法律事実がそのまま法律要件となる場合とがある。

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デジタル大辞泉 「法律要件」の意味・読み・例文・類語

ほうりつ‐ようけん〔ハフリツエウケン〕【法律要件】

一定の権利義務を生じさせるのに必要とされる事実。契約・遺言・出生など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「法律要件」の意味・わかりやすい解説

法律要件
ほうりつようけん

権利義務の変動(発生・変更・消滅)により、法律効果を生ずる原因となる生活関係をさす。たとえば「売ります」、「買います」という合意によって、契約という法律関係が生ずる。契約が成立すると、売り主の権利移転義務、買い主の代金支払い義務という法律効果が生ずる。契約の際に「これこれの要件が備わるときは」というときの要件の部分が法律要件にあたる。契約という法律要件は、契約の申込み(たとえば「売ります」)と承諾(「買います」)という双方意思表示(法律事実)を、また相続という法律要件は人の死亡というできごと(法律事実)を素因としている。

[伊藤高義]

『内田貴著『民法Ⅰ 第4版 総則・物権総論』(2008・東京大学出版会)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「法律要件」の意味・わかりやすい解説

法律要件
ほうりつようけん

一定の法律効果を生ずるために必要とされている事実の全体。法は法律関係を規定するにあたり「何々の事実があれば,何々の効果が生じる」といった仮言的判断形式をとるが,このうち条件命題において要求されるものが法律要件である。法律要件は数個の事実 (法律事実) が結合したものであるのが一般的であるが,1個の事実の場合もある。たとえば,買う・売るという意思表示の合致により,売買契約という法律要件が成立し,そこから代金請求権と財産権移転の請求権という法律効果が発生することになる。

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