法蔵比丘(読み)ホウゾウビク

デジタル大辞泉 「法蔵比丘」の意味・読み・例文・類語

ほうぞう‐びく〔ホフザウ‐〕【法蔵比丘】

阿弥陀如来の、過去世で世自在王仏のもとで出家し修行していたときの名。法蔵菩薩法蔵

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精選版 日本国語大辞典 「法蔵比丘」の意味・読み・例文・類語

ほうぞう‐びく ホフザウ‥【法蔵比丘】

[一] 阿彌陀如来が世自在王仏のもとにあって修業中の、仏にならない以前の名。法蔵菩薩。法蔵。
※百座法談(1110)閏七月一一日「阿彌陀如来法蔵比丘のいにしへ、たて給ふところの八の願の中において」
[二] 浄瑠璃。五段(六段本もある)。説経節で行なわれたものが古く、古浄瑠璃諸流正本がある。古代インドのセンジョウ太子とアシュク夫人の本地を阿彌陀と薬師として構想したもの。

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改訂新版 世界大百科事典 「法蔵比丘」の意味・わかりやすい解説

法蔵比丘 (ほうぞうびく)

説経節の曲名天満(てんま)八太夫の正本で,刊行は延宝か天和(1673-84)ころ。他に佐渡七太夫の正本もある。中世の物語《阿弥陀の本地》と内容は同じで六段構成。放浪の末,帝位に就いた千じょう太子(法蔵比丘)は別れた2人の若に窟(いわや)で再会する。后の阿閦夫人(あしゆくぶにん)の死を知って驚くが,それは太子の永い不在が原因であった。太子をなじり〈母を返せ〉と迫る若の嘆きに説経らしい情感が漂う。夫人は薬師如来に,太子は阿弥陀如来に,2人の若は観音勢至菩薩に転生する。
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