洗瓶(読み)センビン(英語表記)washing bottle

デジタル大辞泉 「洗瓶」の意味・読み・例文・類語

せん‐びん【洗瓶】

容器試料を洗浄するための化学実験用器具。先細の長管から蒸留水などを吹き出して洗浄する。洗浄瓶

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「洗瓶」の意味・わかりやすい解説

洗瓶 (せんびん)
washing bottle

化学実験,とくに合成および分析における操作で,試料や容器などに蒸留水あるいはメチルアルコールエチルアルコールなどの洗液を吹きかけるのに用いられる瓶。以前はガラス製のもの(図1)が一般に使われていたが,現在ではポリエチレン製のもの(図2)がごくふつうに使われている。ガラス製のものは,ガラス管に口をあてて吹くとフラスコの内圧が高くなり,中の液体が先を細くしたガラス管から噴出する。ポリエチレン製のものは,ポリエチレンの瓶のせんを通して鶴の首先のような形の細いポリエチレン管がとりつけられているため通称鶴首(つるくび)といっている。ポリエチレンの弾力を利用したもので,瓶を握ると細くした管の先から少量の液が噴出するが,手加減で噴出する量や強さを微妙に調節することができる。ろ紙上の沈殿の洗浄,ビーカーその他の化学実験用ガラス器具類の洗浄,測定容器などへの微量添加などにきわめて便利であるため広く用いられている。
執筆者:


出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android