洞ケ峠(読み)ほらがとうげ

精選版 日本国語大辞典 「洞ケ峠」の意味・読み・例文・類語

ほら‐が‐とうげ ‥たうげ【洞ケ峠】

[1] 京都八幡市大阪枚方市との境にある峠。生駒山地北方に延びる台地にある東高野街道の峠で、淀川を隔てて北方に天王山を望む。標高七〇メートル。洞嶺。洞当。
[2] (天正一〇年(一五八二山崎戦いの際、筒井順慶が、(一)に軍をとどめ天下形勢を観望して有利な方に味方しようとしたところから) 日和見態度、二心ある態度をいう。
※三四郎(1908)〈夏目漱石〉二「自分が今日迄の生活は現実世界に毫も接触してゐない事になる。洞が峠(ホラガタウゲ)昼寐をしたと同然である」

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とっさの日本語便利帳 「洞ケ峠」の解説

洞ケ峠

大阪・枚方市と京都・八幡市との境にある峠。秀吉光秀が山崎で戦った際、大和郡山城主の筒井順慶が、有利な側につこうと戦を傍観した場所。転じて日和見の意味で「洞ケ峠を極めこむ」のように使われるが、史実は異なり、順慶はすぐさま旗幟鮮明にして秀吉を支持した。

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