津軽海流(読み)つがるかいりゅう

改訂新版 世界大百科事典 「津軽海流」の意味・わかりやすい解説

津軽海流 (つがるかいりゅう)

日本の本州北端,津軽海峡を日本海側から太平洋側に抜ける海流。日本海の対馬海流が源となっている。太平洋に出たあと南下して三陸沖から金華山沖付近に達する。水温は夏で最高22℃くらい,冬でも7℃程度あることが多い。太平洋で津軽海流と接する親潮は水温が低く,顕著な潮境が見られる。このとき津軽海流は暖水塊を形成することが多く,このため津軽暖流とも呼ばれる。海流としては流れが弱く,流軸流速が1ノット内外であると見積もられている。また津軽海峡(最も浅い所は約130mしかない)を通過してくるので,ごく表層,せいぜい水面下200mくらいまでの海流であり,その下側は親潮系の海水で占められている。
海流
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「津軽海流」の意味・わかりやすい解説

津軽海流
つがるかいりゅう

津軽海峡から太平洋へ流れ出る暖流。津軽暖流ともいう。日本海沿岸を北上する対馬海流枝分れで,暖流の厚さは 200mぐらい。下に親潮系の冷水が入り込んでいる。水温は冬でも7℃以上,夏は 22℃ぐらい。塩分中心部で 33.9‰以上,流速は1~2ノット。

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