洪仁玕(読み)こうじんかん(英語表記)Hóng Rén gān

改訂新版 世界大百科事典 「洪仁玕」の意味・わかりやすい解説

洪仁玕 (こうじんかん)
Hóng Rén gān
生没年:1822-64

中国,太平天国後期の指導者(干王)。広東省花県の人,洪秀全族弟早期に上帝教に改宗したが挙兵に参加できず,香港に逃れて外国人宣教師と親しく交わり,1859年(咸豊9)南京(天京)に入って天王信任を得,政務を総理した。《資政新編》を天王に呈して,欧米諸国の政治,経済,社会制度を紹介し,その要点を吸収して革新政権の強化を説いた。天京陥落後,幼天王を守って再起を図ったが捕らえられ,処刑された。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「洪仁玕」の意味・わかりやすい解説

洪仁玕
こうじんかん
Hong Ren-gan; Hung Jên-kan

[生]道光2(1822)
[没]同治3(1864).江西,南昌
中国,太平天国後期の指導者。広東省花県の人。洪秀全の族弟。金田蜂起には参加せず,ホンコン上海洋学を学び,咸豊9 (1859) 年天京 (南京) に入り,干王に封じられて政策面を担当した。迷信に反対し,西欧資本主義の諸制度を移入しようとして『資政新編』を著わしたが,他の領袖民衆の支持を得られず,実現にはいたらなかった。また,列強に対しては妥協的姿勢をとり,天京陥落後,幼主を奉じて出奔したが,江西省で逮捕され,のち処刑された。

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