洪邁(読み)こうまい(英語表記)Hong Mai

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「洪邁」の意味・わかりやすい解説

洪邁
こうまい
Hong Mai

[生]宣和5(1123)
[没]嘉泰2(1202)
中国,南宋の名臣,学者。饒州 (じょうしゅう) 鄱陽 (はよう。江西省) の人。字,景盧。号,容斎。諡は文敏。紹興 15 (1145) 年進士に及第。左司員外郎に進み,同 32年金の世宗の即位に際して金に使いして目的を果せず,一時免官となったが,すぐ再び召され,地方の知州と起居郎,中書舎人などの職を歴任,いずれも治績をあげた。のち翰林学士,知紹興府,端明殿学士と進んだ。範囲の広い読書家で,主著容斎随筆』はその知識をもとに,政治,社会,思想,歴史,風俗,芸術,医学,卜筮,天文,数学など百般の事象に関して,考証を記したもの。また伝聞をもとにして宋代伝奇の代表『夷堅志』 420巻を著わした。著書はほかに『四朝国史』など。

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世界大百科事典(旧版)内の洪邁の言及

【夷堅志】より

…中国,南宋の洪邁(こうまい)(1123‐1202)編。《列子》湯問篇の〈大禹は行きて之(これ)を見,伯益は知りて之を名づけ,夷堅は聞きて之を志(しる)す〉の句に基づき,伝聞の異事を集録して唐の張慎素にすでに《夷堅録》の著があった。…

【容斎随筆】より

…中国,南宋の洪邁(こうまい)(1123‐1202)撰の随筆集。〈随筆〉から〈五筆〉まであわせて5集74巻からなる。…

※「洪邁」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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