流行正月(読み)はやりしょうがつ

改訂新版 世界大百科事典 「流行正月」の意味・わかりやすい解説

流行正月 (はやりしょうがつ)

取越正月(とりこししょうがつ)

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の流行正月の言及

【氷の朔日】より

…また,この日をムケノツイタチと呼び,蛇が桑の木の下で脱皮するので桑畑に入るのを忌むという地方も多い。一年が思わしくない年には流行(はやり)正月といってこの日に正月を祝いなおす例もある。また時ならぬ雪がこの日に降ったという伝承があり,氷や正月の餅を食べることからも,6月1日には第2の正月という意識が認められる。…

【取越正月】より

…天候不順で秋の実りが危ぶまれたり,悪疫が流行したり,天変地異が続くと,ときならずだれが始めるともなく餅を搗(つ)き,門松を立て,しめ縄を引き,服装を改めて正月礼に歩くことが起こり,次々に近隣に流行することがあった。これはその年の忌まわしさから脱し新たな嘉年を期待して行われるもので,仮作正月(かさくしようがつ)とも流行正月(はやりしようがつ)ともいわれる。近代以前にしばしば行われたことで,時期的には6月前後が多かった。…

【宗教】より

…こうして神における祟り性と守護性のアンビバレントな性格は,日本における宗教と政治の相互浸透性,聖と俗の重層的な互換性の心理的な基盤をなしているといえよう。またこの聖と俗の重層的な互換性は,現実の必要に応じていくらでも霊験あらたかな流行神(はやりがみ)をつくりだす庶民の宗教的創意性の根拠をなしている一方,それらの神々をまつることによって家内安全,身体健康,病気平癒などの即効的な現世利益を求める庶民の信心の内容をもよく説明するものである。
[祖先崇拝]
 最後に日本人の宗教に関する第3の特徴は,人は死んで先祖になり,やがて神になるということを自然に信じてきたということである。…

※「流行正月」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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