浄瑠璃古今序(読み)じょうるりこきんのじょ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「浄瑠璃古今序」の意味・わかりやすい解説

浄瑠璃古今序
じょうるりこきんのじょ

義太夫節浄瑠璃の曲名。節事1段。宝永4 (1707) 年3月豊竹座で『増補日向景清』の切,同8年正月豊竹座で『本朝五翠殿』 (紀海音作) の切としての上演の記録もあるが,成立は正徳4 (14) 年以降とも考えられる。元文3 (38) 年豊竹座改築祝儀披露『丹生山田青海剣 (にふのやまだあおうみのつるぎ) 』の切としても再演竹本義太夫と交渉のあった古浄瑠璃先人井上播磨掾岡本文弥,江戸土佐少掾,宇治加賀掾,道具屋吉右衛門および竹本筑後掾 (義太夫) を『古今和歌集』の序の六歌仙になぞらえて,その芸風を短評し,それぞれの当り文句でフシを聞かせた「浄瑠璃尽し」。テキストは豊竹上野少掾の『本朝五翠殿』の正本 (31以前刊) に付として収められる。現代伝わっていない古浄瑠璃の曲節を推定する資料としても重要。松屋清七 (1世鶴沢清七) の「朱」によると伝えられる三味線の譜などを中心に細川景正,町田佳聲らの研究があり,1957年2世鶴沢清八が全曲を復元している。

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