浅沼事件(読み)あさぬまじけん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「浅沼事件」の意味・わかりやすい解説

浅沼事件
あさぬまじけん

日本社会党委員長浅沼稲次郎刺殺テロ事件。 1960年 10月 12日午後3時頃,東京日比谷公会堂の3党首立会い演説会の壇上で演説中,右翼少年山口二矢が約 1000人の聴衆の前で刺殺。山口は陸上自衛隊幕僚監部総務課一等陸佐次男で,家出して赤尾敏総裁の大日本愛国党入党犯行直前に脱党した。山口は「日本の赤化は間近い」との危機感をもって容共的人物の殺害を考え,街頭ポスターで浅沼委員長の演説会を知り凶行に及んだ。東京地方検察庁は同年 11月2日山口を刑事処分相当の意見をつけて東京家庭裁判所に送致したが,同日山口は少年鑑別所の単独室で壁に「七生報国」「天皇陛下万歳」と書き残して自殺した。

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