海外直接投資(読み)かいがいちょくせつとうし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「海外直接投資」の意味・わかりやすい解説

海外直接投資
かいがいちょくせつとうし

利潤獲得のため海外に資本を投下し事業を営むこと。これに対し株式,債券の取得などによる金融利潤だけを追求するものが海外間接投資である。直接投資のほうが危険は大きく,また資本が生産設備など現物形態をとるため元本回収に長期間を要する。もと外国の高関税など通商上の障壁を乗越えるための手段とされたが,多国籍企業出現,自由貿易政策による通商障壁撤去などにより,先進工業国大企業の経営戦略の定型的一手段となるにいたった。

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世界大百科事典(旧版)内の海外直接投資の言及

【多国籍企業】より

…これら輸出先で輸入代替生産が起こってきたり,関税等による輸入制限がとられると,市場防衛のため輸出先に子会社や合弁企業を設立して,現地で生産・販売を行うようになった。海外直接投資である。 この場合,工場機械設備や生産技術のみならず,新商品・新技術に適した経営管理・販売のノウ・ハウをもった技術者,経営管理・販売専門家も派遣して,一般労働だけは現地でより安い賃金で雇用した。…

【直接投資】より

…企業が成長し,その生産・販売・経営の技術の集合である〈経営資源〉を,国境を越えて再配分する行為を直接投資と呼ぶ。証券投資portfolio investmentとしての外国証券の購入(間接投資)に対応する用語。外国で直接事業活動を行うところに特徴があり,対外(海外)直接投資direct foreign investmentともいわれる。直接投資を行う企業は,多国籍をもつ,あるいは国境を越えて生産活動を行うため,〈多国籍企業〉〈超国家企業〉とも呼ばれる。…

※「海外直接投資」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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