海面境界過程(読み)かいめんきょうかいかてい(英語表記)air-sea boundary process

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「海面境界過程」の意味・わかりやすい解説

海面境界過程
かいめんきょうかいかてい
air-sea boundary process

海面で接している大気海洋が,相互にエネルギー,物質ガスなどを移行する過程。たとえば,大気は風の応力を海面に与え海洋に海流風浪を起こし,また,黒潮湾流をはじめとする海流は熱帯の熱を寒帯に運び,大気の運動に重要な役割を果たしている。大気と海洋の間では気体 (二酸化炭素,酸素など) の交換が行なわれ,生物に快適な環境を与えている。海面を通しての過程では,大気と海洋は相互作用の関係にあり,その作用が,大気・海洋それぞれの重要な部分を占めている。現在,地球環境問題と関連して地球規模での大気モデルがつくられ,将来予測を行なっているが,海洋からの寄与分の予測を与えねばならず,海面境界過程の研究は非常に重要になっている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android