消し幕(読み)ケシマク

デジタル大辞泉 「消し幕」の意味・読み・例文・類語

けし‐まく【消し幕】

歌舞伎で、死んだ役の人物舞台から退場させるとき、見物人に見えないように後見こうけんがかざす黒または赤の布。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「消し幕」の意味・わかりやすい解説

消し幕
けしまく

歌舞伎の演出に用いる幕の一種。舞台上の不要の登場人物観客の目から隠すのが目的で,舞台から消す場合に主として使われる。舞台の進行を助ける後見または黒衣 (くろご) が,黒か赤の幕を持出して広げ,その陰に人物を隠して退場させる。このほか,幕のうしろに人物を隠して登場させ,幕を取去って人物を現すこともあり,俳優が舞台の上で扮装を変える場合にも,消し幕の陰で行うことがある。

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世界大百科事典(旧版)内の消し幕の言及

【歌舞伎】より

… 黒幕(くろまく)大道具で夜の場面の背景にする黒一色の幕。道具の不要な部分を隠すためにも使い,小型のものは舞台上の人物を隠して退場させる〈消し幕〉に使う。 小裂(こぎれ)俳優の扮装の中で,鬘,衣裳,小道具のどれにも属さず,特殊な業者が調達するもの。…

【黒幕】より

…歌舞伎の舞台で使う黒一色の幕。黒木綿地で,主として夜の場面の背景に使用するほか,舞台装置の不必要な部分をかくしたり,小形のものは〈消し幕〉といって,舞台上の人物をかくして引込ませるために用いられる。近代演劇では〈暗転幕〉に多く使用。…

※「消し幕」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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