涎掛(読み)ヨダレカケ

デジタル大辞泉 「涎掛」の意味・読み・例文・類語

よだれ‐かけ【×涎掛(け)】

よだれが垂れて衣服が汚れるのを防ぐため、幼児の首に掛ける布。
垂木の先や切妻につけた垂れ板飾り。
のどを保護するための武具。形が1に似る。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「涎掛」の意味・読み・例文・類語

よだれ‐かけ【涎掛】

〘名〙
① よだれなどで衣服の汚れるのを防ぐために、幼児などの頤(あご)の下に掛ける布。
壒嚢鈔(1445‐46)三「赤子によたれかけと云物あり」
咽喉(のど)の防御具。喉輪(のどわ)。よだれがね。よだりかけ。
庭訓往来(1394‐1428頃)「次武具事。〈略〉半首。唾懸」
和船帆柱にかける筈緒(はずお)の上部につけ帆布が筈緒に摺れるのを防ぐもの。蛇袋(じゃぶくろ)・二布・うなぎの皮などともいう。帆摺(ほずれ)。〔和漢船用集(1766)〕
④ 垂木の鼻または切妻に取りつけた垂れ板飾り。瓔珞(ようらく)
⑤ イソギンポ科の海産魚。全長約一〇センチメートル。岩礁海岸の潮上帯や飛沫帯にすむ。沖縄以南、インドネシアまで分布する。

よだり‐かけ【涎掛】

釈日本紀(1274‐1301)一三「頸鎧 〈略〉兼方案之、頸鎧者、俗号与多利加気之物也」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android