深刻(読み)シンコク

デジタル大辞泉 「深刻」の意味・読み・例文・類語

しん‐こく【深刻】

[名・形動]
事態が容易ならないところまできていること。また、そのさま。「住宅問題深刻になる」
容易ならない事態と受けとめて、深く思いわずらうこと。また、そのさま。「深刻に考え込む」「深刻表情
考え・表現などが深いところにまで達していて重々しいこと。また、そのさま。
「悲壮な熱情と―な思想とは」〈藤村破戒
無慈悲で厳しいこと。むごいこと。また、そのさま。過酷。
「是程―な復讎かたきを取られる程」〈漱石それから
[派生]しんこくさ[名]
[類語](1由由しい重大手重い/(2切実痛切切切ひしひしつくづくしみじみじいん心からせつびんびん哀切哀れ悲しい物悲しいうら悲しいせつないつらい痛ましい悲愴ひそう悲痛悲傷沈痛もの憂い苦しい耐えがたいしんどい苦痛やりきれないたまらないる瀬ない断腸の思い胸を痛める胸が痛む胸が塞がる胸が裂ける胸が張り裂ける胸がつかえる胸が潰れる胸がつまる気を揉む重苦しい滅入る気遣わしい塞ぐ塞ぎ込む消沈しょげるしょげ返る沈む憂鬱憂愁沈鬱メランコリー気鬱気塞ぎ鬱鬱陰鬱暗鬱鬱屈鬱結鬱気うっき鬱悶うつもん鬱積抑鬱憂さ鬱陶しい悶悶もんもん

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精選版 日本国語大辞典 「深刻」の意味・読み・例文・類語

しん‐こく【深刻】

〘名〙 (形動)
① (━する) 深くほりつけること。また、深く心に刻みつけること。深く胸を打つものがあること。また、そのさま。
※破戒(1906)〈島崎藤村〉二〇「悲壮な熱情と深刻な思想とは」
※三四郎(1908)〈夏目漱石〉三「堅い樫の板を奇麗に切り込んだ手際は素人とは思はれない。深刻の出来である」 〔新五代史‐唐六臣伝論〕
物事を深くつきつめて考えたり、せんさくしたりすること。また、そのさま。
※童子問(1707)下「公穀二伝、深刻過密、殆若隠語
③ 事態が切迫し、重大なこと。言葉などが重大な意味をもつこと。また、そのさま。
最暗黒之東京(1893)〈松原岩五郎一六「此の悲しむべき売食の事実が人間の生活を説明するは極めて深刻(シンコク)なるものにして」
④ きわめて残忍なこと。むごいこと。また、そのさま。苛酷(かこく)
史記抄(1477)一六「是以後つよく法の深刻になったは趙禹から始ると云義ぞ」 〔史記‐義縦伝〕

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普及版 字通 「深刻」の読み・字形・画数・意味

【深刻】しんこく

きびしい。厳酷。〔史記、酷吏、義縦伝〕是の時、趙禹・張湯、深を以て九と爲る。然れども其の治は(たつと)び、法に輔けられて行ふ。

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