清史稿(読み)しんしこう(英語表記)Qīng shǐ gǎo

改訂新版 世界大百科事典 「清史稿」の意味・わかりやすい解説

清史稿 (しんしこう)
Qīng shǐ gǎo

中国清朝正史草稿。536巻。趙爾巽らの編。これまでの正史の体裁による紀伝体で,根本史料とはいえないが,清朝史のだいたいを知るのには便利である。1914年,中華民国政府は清史館を設け,趙爾巽を館長として清史の編纂をはじめ,27年完成。北京出版の関内本と,東北瀋陽出版の関外本との2系統,数種の版があり,内容に多少の違いがみられる。北京中華書局本(1977)は,後者の系統を底本として標点,分段をほどこし,異本について詳しい校訂,注記をつけている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「清史稿」の意味・わかりやすい解説

清史稿【しんしこう】

中華民国時代に作られた,清王朝の正史の草稿。536巻。趙爾巽らの編。紀伝体で,根本史料とはいえないが,清朝史の概略を知るのには便利。1914年,中華民国政府は清史館を設け,趙爾巽を館長として清史の編纂をはじめ,27年完成。北京出版の関内本と,東北瀋陽出版の関外本との2系統,数種の版があり,内容に多少の違いがみられる。北京中華書局本(1977年)は,後者の系統を底本とし異本について詳しい校訂,注記をつけている。現在,中華人民共和国の国家プロジェクトとして,新たな清史編纂事業が進められている。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「清史稿」の意味・わかりやすい解説

清史稿
しんしこう
Qing-shi-gao; Ch`ing-shih-kao

中国,清朝の正史を作成するための草稿。趙爾巽らの編。 536巻。 1914年に清史館を開き,趙爾巽を館長として編纂に着手政情不安や経費不足ではかどらなかったが,27年に一応完成した。本紀 25巻,志 142巻,表 53巻,列伝 316巻より成る。その刊本には,関内本と関外本の2系統があり,関外本には第1次本と第2次本の2種がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の清史稿の言及

【正史】より

…正史の数は時代が下るにつれ増え,明代二十一史,清では二十二史となったが,乾隆以後,《旧五代史》《旧唐書》を加えて二十四史,1922年大総統徐世昌は柯劭忞(かしようびん)の《新元史》を入れて二十五史とした。最近の中国では《清史稿》も正史に準じて扱っている。なお《史記》《漢書》《後漢書》《三国志》を前四史,遼,金,元の三史を後三史と呼ぶ。…

※「清史稿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android