清実録(読み)しんじつろく(英語表記)Qīng shí lù

精選版 日本国語大辞典 「清実録」の意味・読み・例文・類語

しんじつろく【清実録】

中国清朝の歴代皇帝実録。四四六六巻。奉天(現在の瀋陽)の崇謨閣に秘蔵されていた漢文本を一九三八年に旧満州国政府が写真印刷で刊行。清代史研究の重要史料。大清歴朝実録。

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改訂新版 世界大百科事典 「清実録」の意味・わかりやすい解説

清実録 (しんじつろく)
Qīng shí lù

中国,清朝歴代皇帝の実録太祖10巻,太宗65巻,世祖144巻,聖祖300巻,世宗159巻,高宗1500巻,仁宗374巻,宣宗476巻,文宗350巻,穆宗374巻,徳宗597巻である。徳宗の実録以外は,すべて満州文,モンゴル文,漢文の3種のテキストがある。いずれも写本が数部作られ,北京や盛京(瀋陽)の宮殿,皇史宬(こうしせい)などに保管された。装丁や文字など体裁相違により,大紅綾本,小紅綾本,小黄綾本などとよばれる。1937年満州国国務院が出版した《大清歴朝実録》は,盛京宮殿の漢文本の影印で,他に乾隆年間(1736-95)に作られた絵入りの《満州実録》8巻と《宣統政紀》70巻の影印が収められている。この影印本の太祖,太宗,世祖の実録は乾隆年間に重修されたものであるが,康煕年間(1662-1722)に編纂されたものは《清三朝実録》とよばれ,その漢文本の重抄本が日本に現存する。順治年間(1644-61)に編纂された太祖,太宗の実録は原本がなお残存している。清の実録は清朝史研究の基礎文献ではあるが,より根本的な檔案(とうあん)などが多数残存しているので,その史料的価値は明の実録に比して低い
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「清実録」の意味・わかりやすい解説

清実録
しんじつろく
Qing-shi-lu; Ch`ing shih-lu

中国,清朝歴代皇帝の実録。実録とは皇帝1代の事跡を記した編年体の記録で,清朝では満州文,モンゴル文,漢文の3文体で書かれた。何部かの写本が作られ,北京の紫禁城などに保管されていたが,1937年『大清歴朝実録』の総称で,瀋陽の故宮所蔵の漢文本が写真版として刊行された。これには太祖から徳宗 (光緒帝) まで 11代の皇帝の実録のほか,『満州実録』と『宣統政紀』が収められている。

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