清掃事業(読み)せいそうじぎょう(英語表記)sanitary work

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「清掃事業」の意味・わかりやすい解説

清掃事業
せいそうじぎょう
sanitary work

ごみ屎尿収集運搬,処理を行う事業。廃棄物の処理及び清掃に関する法律で,これらの作業は市町村など基礎的地方公共団体が清掃事業として行うことが義務づけられている (ただし他に委託することはできる) 。収集,運搬は自動車によるほか,埋立て地への運搬や屎尿の海洋投棄には船舶が用いられる。 1988年度全国で 10万 9000t/日収集されたごみのうち 72.8%にあたる9万 3552t/日が焼却され,その残灰を含めて1万 6000t/日が埋立てられた。自家処理やみずから処分地へ搬入した量が2万 3800t/日。同年度全国で9万 6900kl/日の屎尿が収集され,うち8万 1963kl/日 (79.8%) は処理施設などで処理されたが,9240kl/日 (9%) は海洋投棄された。 92年でごみ焼却場は全国で 746ヵ所,屎尿処理場は 1212ヵ所あり,処理施設の拡充は進んでいるが,廃棄物の増加により残灰,汚泥不燃物,危険物の処理場の確保に困難を生じている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の清掃事業の言及

【ごみ】より

…産業廃棄物については原則として事業者がみずから処理することになっており,自治体が行ういわゆるごみ処理の立場からは,ごみ(粗大ごみを含む)とは,廃棄物処理法に基づけば,燃えがらや動物の死体など特定の廃棄物を除く固形状の一般廃棄物の総称ということができよう。廃棄物処理法ではごみと家電製品や家具等不定期に排出される大型の粗大ごみに2分類しているだけであるが,全国の自治体ではごみの多様化やそれぞれの清掃事業のしくみなどを反映して,家庭ごみ,事業ごみ,可燃ごみ,生ごみ,不燃(埋立て)ごみ,有害ごみなどさまざまなごみの分類が行われている。
[ごみ問題の経過]
 人が集落を形成すれば,そこでの生活や活動からは必ず何らかのごみや排泄物が発生し,処理の必要が出てくる。…

※「清掃事業」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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