渡宋記(読み)とそうき

改訂新版 世界大百科事典 「渡宋記」の意味・わかりやすい解説

渡宋記 (とそうき)

平安時代後期の旅行記。1巻。僧戒覚記。中国天台山・五台山の巡礼を志した天台僧戒覚が,永保2年(1082)9月5日筑前国博多津の乗船から,翌年6月15日五台山真容院に永住を認められるまでの記。抄出本であるが,従来万代和歌集》に1首の歌が知られるだけの戒覚の行動が明らかとなり,直前の入宋者成尋(1081没)の《参天台五台山記》とともに当代の貴重な史料。1229年(寛喜1)実尊写,宮内庁蔵。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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