朝日日本歴史人物事典 「渡辺敏」の解説
渡辺敏
生年:弘化4.1.28(1847.3.14)
明治大正期の教育者。陸奥国(福島県)の浅岡段介・竿の子として生まれ,戊辰の役に従軍後,母方の渡辺姓を継ぐ。明治8(1875)年東京師範学校卒業後,長野県の仁科学校,福島師範,長野小学校などを経て29年長野高等女学校(長野西高校)の初代校長となる。女子の体育普及に力を入れ服装改善を図ったことで知られる。また科学教育,音楽教育のほか広く社会人教育の普及も唱えた。近代登山に深い関心を持ち,まだ信仰登山が多かった時代に登山をスポーツとしてとらえ,35年から大正5(1916)年の長野高女退職時まで率先して戸隠登山を指導し,多くの女生徒にその喜びを体験させた。<参考文献>長野市教育会『渡辺敏全集』
(梅野淑子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報