温根沼(読み)オンネトウ

デジタル大辞泉 「温根沼」の意味・読み・例文・類語

おんね‐とう〔ヲンね‐〕【温根沼】

アイヌ語「オンネトウ」(大きい沼)から》北海道東部にある湖。根室半島の付け根、根室湾から入り込んだせき周囲14キロメートル、面積5.7平方キロメートル。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「温根沼」の解説

温根沼
おんねとう

根室半島基部にある海跡湖。北部の開口部に温根沼大橋が架かり国道四四号(根釧国道)が走る。この道は根室から厚岸あつけし町方面へ、また厚床あつとこ別海べつかい標津しべつ方面に至る道が分岐する主要路で、明治二八年(一八九五)までは橋がなく渡船があった。南の落石おちいし方面からオンネベツ川が注ぎ込んでいる。周囲一四・一キロ、面積五・六八平方キロ、最大水深六・七メートル、平均水深一・二メートル(根室市勢要覧)。周囲は根室段丘の高位面(標高三〇メートル前後)で、マツ類などが生茂っている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「温根沼」の意味・わかりやすい解説

温根沼
おんねとう

北海道東部,根室半島基部にある海跡湖。根室市に属する。面積 5.7km2。周囲 14km。最大水深 6.7m。地名はアイヌ語のオンネトー (奥深い沼の意) に由来標高 40~50mの丘陵 (根室段丘) で囲まれ,北方に幅約 500mの湖口が開いて根室湾に通じる。アサリホッキガイツブなどの貝類を産し,野付風蓮道立自然公園に属する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「温根沼」の意味・わかりやすい解説

温根沼
おんねとう

北海道東部、根室半島(ねむろはんとう)の基部にある湖沼。周囲15キロメートル、面積4.3平方キロメートル、最大深度7メートル。陸地沈降に伴って生じた谷間海水が浸入して湖沼を形成、幅約500メートルの湖口によって根室湾に通じる。周囲を天然の混交林で囲まれ、春秋の干潮時には湖岸寄りに幅約800メートルの干潟が出現する。アサリ、ホッキガイ、ツブなどの貝類を産し、国道44号が湖口を通過する。

[古川史郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の温根沼の言及

【オンネトー】より

…青くすんだ湖面に雌阿寒を映す静寂な湖水で,湖畔にシャクナゲの群落がある。根室半島基部にある同名の塩水湖は温根沼の文字をあて,これはおぼれ谷を砂嘴(さし)がほぼ閉じたもので,幅500mの水路で根室湾に通じている。【岡本 次郎】。…

※「温根沼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android