温海温泉(読み)あつみおんせん

日本歴史地名大系 「温海温泉」の解説

温海温泉
あつみおんせん

[現在地名]温海町湯温海

温海岳の南西麓、温海川流域にある。庄内三湯の一つとされ、江戸時代温泉集落は村・湯温海ゆあつみ村などといわれた。開湯の時期については天武天皇元年(六七二)役の行者の発見説、弘仁一〇年(八一九)の弘法大師発見説など諸説があり定かでない。寛政三年(一七九一)の万年記録帳面(温海町役場蔵)は永正三年(一五〇六)に白鶴の湯治を見て発見したとしており、別名つるの湯ともいわれた。当温泉には庄内藩主や松山藩主が入湯し、万治元年(一六五八)には御茶屋(御殿)が置かれた。御茶屋は当初おもて町にあり、その西隣に湯役所が置かれて御徒あるいは御組外の湯役人(湯奉行)が三年交替で勤務、温泉の取締と湯銭の取立てに当たった。なお御茶屋と湯役所は享保年間(一七一六―三六)裏山からの落石があったため、地蔵じぞうの湯の東に移されたという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「温海温泉」の意味・わかりやすい解説

温海温泉
あつみおんせん

山形県西部、鶴岡市(つるおかし)にある温泉。旅館街は温海川に沿う。古くから湯野浜湯田川とともに庄内(しょうない)三楽郷の一つとして知られた。泉質硫黄泉

中川 重]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「温海温泉」の意味・わかりやすい解説

温海温泉
あつみおんせん

山形県北西部,鶴岡市南西部を流れる温海川渓流沿いの温泉。泉質は含食塩硫化水素泉。泉温は 74~82℃で湯量も比較的多い。外傷リウマチ婦人病などにきくといわれる。庄内温泉郷の一つで,古くから湯治客でにぎわい,朝市が立つことでも有名。近隣にそびえる温海岳 (736m) は紅葉名所

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