湯田温泉(読み)ユダオンセン

デジタル大辞泉 「湯田温泉」の意味・読み・例文・類語

ゆだ‐おんせん〔‐ヲンセン〕【湯田温泉】

山口市の市街地南部にある温泉泉質単純温泉など。

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日本歴史地名大系 「湯田温泉」の解説

湯田温泉
ゆだおんせん

[現在地名]山口市湯田温泉一―六丁目

現山口市街の西南部に開けた温泉で、地名は正治二年(一二〇〇)一一月日の周防阿弥陀寺田畠坪付(周防阿弥陀寺文書)に「吉木本郡」の内として「湯田三段」とみえるのが早い。周防国分寺の正中二年(一三二五)一二月二六日付文書に「周防国法花寺院内四至堺免田坪付等事」として「湯田保」とあり、国衙領であったことがわかるが、東大寺造営料とされていたため、永仁二年(一二九四)一〇月には東大寺が地頭の濫妨を訴え、停止されたことが東大寺文書にみえる。

温泉としては長禄三年(一四五九)の大内家壁書に「御禁制(中略)夜中に湯田の湯へ入事 但湯治の人女人同農人等被除之」とあり、当時すでに湯治の者もあったことが知られる。

湯田温泉
ゆだおんせん

[現在地名]川内市湯田町

湯田町の北東部、字湯之元ゆのもとにある。湯之元温泉ともいい、現在は川内高城たき温泉とよばれる。「三国名勝図会」によれば、温泉は二里ほど離れて二ヵ所あり、ともに湯性は灰汁気(アルカリ泉)で硫黄気(硫黄泉)を兼ねる。疝癪および筋骨拘攣湿気上気などに効能があり、浴客が絶えないと記される。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「湯田温泉」の意味・わかりやすい解説

湯田温泉
ゆだおんせん

山口県中央部、山口市にある温泉。市街地の一部をなし、国道9号沿いに近代的ホテルや旅館、保養所などが建ち並び、歓楽的色彩も濃い山陽路随一の温泉郷を形成する。JR山口線湯田温泉駅下車。泉質は単純硫黄泉(硫化水素型)、放射能泉で、飲用、浴用ともに胃腸病、神経痛に効く。中世大内氏の時代から知られた名湯で、近世には長州藩主毛利(もうり)氏の湯田御茶屋が置かれ、公衆浴場も設けられた。4月上旬は温泉祭「白狐行列(びゃっこぎょうれつ)」でにぎわう。詩人中原中也の出身地であり、その記念館がつくられている。

[三浦 肇]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「湯田温泉」の意味・わかりやすい解説

湯田温泉
ゆだおんせん

山口県中部,山口盆地西部にある温泉。泉質はアルカリ性単純泉。泉温 50~80℃。湯量豊富。胃腸病,神経痛,リウマチなどにきく。 16世紀初頭の開湯と伝えられる伝統的な温泉地。田園中にあって施設の整った旅館が立並ぶ。山口市内の史跡秋吉台の観光基地であり,山陽地方山陰地方を結ぶ観光ルートの拠点。近くに亀山公園,雪舟庭などがある。中原中也の生誕地。

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