源算(読み)げんさん

朝日日本歴史人物事典 「源算」の解説

源算

没年:康和1.3(1099)
生年:永観1(983)
平安後期天台宗の僧。一説に長保2(1000)~嘉承2.3.29(1107.4.23)。俗姓大中臣氏。少年のころ,比叡山で受戒したが,壮年になって還俗,娘の死にあい,45歳のときに再び出家した。初めて京都・西山の善峰を開いて善峰法華院を建立し,観念(仏教真理や仏・如来の姿に思いを凝らす)を行った。結縁の人が多く来るようになると,さらに離れた北尾に庵室(往生院)を結んで隠遁生活を送った。自ら阿弥陀如来像を造立し,臨終には口に弥陀を唱え,手に定印を結んで往生したという。この地は早くから往生者の聖地と仰がれ,のちに浄土宗西山派の拠点となる。<参考文献>『拾遺往生伝』上(日本思想大系『往生伝/法華験記』),『元亨釈書』14巻

(三橋正)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「源算」の解説

源算 げんさん

983-1099 平安時代中期-後期の僧。
永観元年生まれ。天台宗。比叡(ひえい)山でまなぶ。一時還俗(げんぞく)し,45歳のとき娘の死にあいふたたび出家。長元3年京都西山に善峰(よしみね)寺を,のち三鈷(さんご)寺をひらく。承徳(じょうとく)3年3月,117歳でなくなったとされるが,生没年に異説おおい因幡(いなば)(鳥取県)出身

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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