溜間(読み)たまりのま

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「溜間」の意味・わかりやすい解説

溜間
たまりのま

江戸城黒書院にある控えの間。彦根の井伊家,会津高松の両松平家,姫路庄内の両酒井家などは世襲的にここに座席をもち,その他の家門譜代の大大名が出仕して,将軍老中諮問に応じるならわしがあり,これらの大名を溜間詰または単に溜詰といった。

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旺文社日本史事典 三訂版 「溜間」の解説

溜間
たまりのま

江戸城内の大名諸所部屋の名
登城して溜間に詰める大名の家格を溜間詰 (たまりのまづめ) といい,家門・譜代の名門などから4人選ばれ,老中と政治を相談することもあり名誉とされた。

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世界大百科事典(旧版)内の溜間の言及

【大名】より

…さらにこれを将軍との親疎関係によって分類する場合は,三家,三卿,家門,譜代,外様に分けるが,家門は三家,三卿以外の親藩およびその分家をさし,旧族大名と織豊大名を徳川系大名に対して外様に一括する。 また領国や居城の規模によって,国主(国持),准国主,城主,城主格,無城に分け,あるいは江戸城中の詰間(つめのま)によって,大廊下,溜間(たまりのま),大広間,帝鑑間(ていかんのま),柳間,雁間(かりのま),菊間に分け,さらに官位によって,侍従以上,四品(しほん)(四位),諸大夫(五位)に分け,石高によって,10万石以上,5万石以上,1万石以上に分ける場合もある。大名はこれらの組合せによって複雑多岐な格式序列がつくられたが,このことは大名(藩)の存在形態がきわめて多様であったことを示している。…

※「溜間」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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