滅度(読み)メツド

デジタル大辞泉 「滅度」の意味・読み・例文・類語

めつ‐ど【滅度】

《〈梵〉nirvāṇaの訳。涅槃ねはん音写仏語
生死の迷いを超越した悟りの境地
仏の死。転じて、僧侶の死。入滅

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「滅度」の意味・読み・例文・類語

めつ‐ど【滅度】

〘名〙 仏語。
① さとり。生死の迷いを超越したさとりの境地。
法華義疏(7C前)一「言昔日只就分段故。云滅度。而今猶有変易。故実不滅也」
② 仏の死。入滅。入寂。
※勝鬘経義疏(611)一乗章「謂仏滅度後五百年中余風未毀」 〔法華経序品
③ 僧などが死ぬこと。入寂。
随筆・折たく柴の記(1716頃)下「聖宝僧正滅度八百年の後に至て、勅贈大師号の事」 〔崔顥‐贈懐一上人詩〕

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世界大百科事典(旧版)内の滅度の言及

【涅槃】より

…サンスクリットのニルバーナnirvāṇaをなまった俗語からの音写語と考えられ,そのほか泥洹(ないおん),泥曰(ないおつ),などとも表記される。〈吹き消された〉ことという意味に起源する語で,本来は生命の火が吹き消された状態,すなわち〈死〉を意味するので,滅度(めつど),寂滅(じやくめつ)などと訳された。この語は,仏教では最初釈迦の死を意味したところから,後になって〈迷いの燃えさかる火を完全に消し,悟りに入った境地〉という解釈がつけ加えられた。…

※「滅度」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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