漆胡瓶(読み)シッコヘイ

デジタル大辞泉 「漆胡瓶」の意味・読み・例文・類語

しっ‐こへい【漆×瓶】

うるし塗りの胡瓶正倉院優品伝存

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精選版 日本国語大辞典 「漆胡瓶」の意味・読み・例文・類語

しっ‐こへい【漆胡瓶】

〘名〙 うるし塗りの胡瓶。正倉院に伝来するものは、鳥首形の蓋と柄のついた水差し
正倉院文書‐天平勝宝八年(756)六月二一日・東大寺献物帳「漆胡瓶一口 銀平脱、花鳥形、銀細鏁連繋鳥頭盖三升半

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「漆胡瓶」の意味・わかりやすい解説

漆胡瓶
しっこへい

漆塗りの胡瓶 (ペルシア式の瓶。胡はペルシアをさす語) 。正倉院に伝来するもの (「ぬりのこへい」とも読む) は聖武天皇調度品で,『東大寺献物帳』のなかに「漆胡瓶一口」とある。器胎は木の輪積式 (籃胎ともいわれる) で,布を張って黒漆をかけ,その上に平脱 (→平文 ) の技法で銀板による鳥獣花卉文をとぎ出している。作りは唐様式を伝えるが,その源流ササン朝ペルシア水瓶にみられ,胡瓶の名はそれに由来すると思われる。

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