漕運総督(読み)そううんそうとく(英語表記)cao-yun zong-du; t`ao-yün tsung-tu

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「漕運総督」の意味・わかりやすい解説

漕運総督
そううんそうとく
cao-yun zong-du; t`ao-yün tsung-tu

中国,明・清時代の漕運を管理する最高責任者の官職名。明・清時代では揚子江流域で徴収した税糧北京まで運送する手段として内陸河川運河を利用する漕運が行われた。明朝では,初め漕運総兵官が河道管理や漕運管理を兼務したが,景泰2 (1451) 年に総督漕運都御史を設け,その下の総兵官,参将などとともに漕運を総管させた。また河道の管理も河道総督を設けて専門化し,清代には民生を担当する巡撫の兼務も廃止して,漕運の管理のみとした。

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世界大百科事典(旧版)内の漕運総督の言及

【大運河】より

…元では都漕運司を大都と揚州,済州において漕運を統轄させるとともに,水利の専門官として大都に都水監をおき,全国各地に河渠司を設けた。明では漕運の最高責任者として漕運総督と漕運総兵官とがあったが,とくに総督は河道の管理を兼ねて権限が大きかった。清になると漕運総督は淮安に駐在し,北京の倉場総督と連絡をとって漕運を確保するのが責任であった。…

※「漕運総督」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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