潼関(読み)どうかん

精選版 日本国語大辞典 「潼関」の意味・読み・例文・類語

どうかん ドウクヮン【潼関】

中国陝西省の東端山西河南両省との省境にある県名黄河華山にぶつかり東に流れを変える地点にある。北に渭水、南に華山の絶壁を控え、古来洛陽から長安に至る通路要害で、後漢代に関が置かれた。

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デジタル大辞泉 「潼関」の意味・読み・例文・類語

どうかん〔ドウクワン〕【潼関】

中国陝西せんせい省東端の県。河南・山西両省との境の、南流する黄河が華山に衝突して東に流れを変える地点にあり、古来、交通軍事要地で、漢代に関が置かれた。衝関。トンコワン

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「潼関」の意味・わかりやすい解説

潼関
とうかん / トンコワン

中国、陝西(せんせい)省東端の県。渭南(いなん)市に属し、河南(かなん)、山西(さんせい)両省に接する。常住人口15万5463(2010)。南下してきた黄河(こうが)が秦嶺(しんれい)山脈に当たり、西から流入する渭河(いが)を加えて90度方向を変えて東へ流れる地点にあり、関中(かんちゅう)と中原(ちゅうげん)を結ぶ交通を押さえる要衝であった。春秋時代には桃林塞(とうりんさい)とよばれ、東の函谷関(かんこくかん)と結んで関中の固めとなっていた。漢代に函谷関は洛陽(らくよう)の近くに移され、後漢(ごかん)末この位置に潼関が設置されたと考えられる。その後、関中が乱れたときには必争の地となり、唐代以後、潼津(とうしん)県、潼関衛、潼関庁などが置かれ、1913年に県となった。

 隴海(ろうかい)線、同蒲(どうほ)線(大同(だいどう)―華山(かざん))が通じる。近年、金の採掘が盛んに行われている。古代の城塞や、それに連なる潼関十二連城などの遺跡が残るほか、南西には秀峰華山がそびえる。

[秋山元秀・編集部 2017年7月19日]

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改訂新版 世界大百科事典 「潼関」の意味・わかりやすい解説

潼関 (どうかん)
Tóng guān

中国,陝西省東端の県。人口14万(1994)。南流した黄河が華山につき当たって東に向かう屈曲点に位置し,また西からは渭水が注いで天下の険をなし,古来中原地方から関中に入る最大の要地として有名である。春秋時代の晋の桃林のとりではこの地であり,後漢末には関所を設け,西方を流れる川の名をとって潼関とよばれた。1960年,三門峡ダムの完成で水没するため,市街は約10km南へ移され,隴海(ろうかい)鉄道(連雲港~蘭州)も南へつけ替えられた。
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百科事典マイペディア 「潼関」の意味・わかりやすい解説

潼関【どうかん】

中国,陝西省東部,河南・山西両省との省境の県。黄河と渭水の合流点付近に位置し,2世紀末ごろ関(潼関)が設けられてから,渭水盆地から中原へ入る要地となる。最近まで対岸の風陵渡とともに商業地として栄えたが,1960年三門峡ダムの完成により,町は南方10kmの地へ移転し,隴海(ろうかい)鉄路(連雲港〜蘭州)も同時に移動した。現在は渭南市に所属している。17万人(2014)。

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旺文社世界史事典 三訂版 「潼関」の解説

潼関
どうかん

中国陝西 (せんせい) 省東端にある都市
南流した黄河が華山に衝突して東に向かう屈曲点に位置し,西からは渭水 (いすい) が合流し,地形は峻険。古来中原から関中にはいる要地で,長安攻防の要衝であったので関所を設け,国都防衛の生命線として重視した。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「潼関」の意味・わかりやすい解説

潼関
どうかん
Tong-guan; T`ung-Kuan

中国,陝西省東端の関所。黄河と渭 (い) 水の合流点にあり,地形はきわめて険阻で,中原 (河南方面) から関中 (陝西) に入る交通の要衝をなした。

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