澄まし汁(読み)スマシジル

デジタル大辞泉 「澄まし汁」の意味・読み・例文・類語

すまし‐じる【澄まし汁】

醤油と塩でだし汁に味つけした透明な吸い物。おすまし。
[類語]すまし吸い物汁物あつものお澄ましつゆお付け味噌汁おみお付け粕汁納豆汁薩摩汁けんちん汁豚汁とろろ汁三平汁のっぺい汁鯉濃こいこく水団すいとん

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「澄まし汁」の意味・わかりやすい解説

澄まし汁
すましじる

汁物の一つ。汁物には澄まし汁と濁り汁があり、澄まし汁は吸い物、椀(わん)盛り、箸洗(はしあら)い、材料の持ち味を生かした丸吸い、潮汁(うしおじる)などの総称である。吸い物は、椀種(わんだね)を入れ、かつお節を主にしてとった一番だし汁を張り、ユズサンショウなどの吸い口を添える。スープ仕立ては、主としてニワトリのがらを煮てとるスープを汁としてつくる吸い物である。水炊(た)きは鶏肉を煮だした汁を用いる吸い物で、鶏肉も加えダイコンニンジンなども添える。椀盛りは、煮物椀ともいい、野菜、鶏肉、エビなどをたくさん入れ、澄まし汁で煮たもの。梅椀は、5種類の種を梅の花になぞらえ、盛り込んだ椀盛りである。箸洗いは懐石料理に出される薄味の汁物である。だし汁に同量の水を加え、塩少々を加える。種はほんの少ししか入れない。梅干しの中の大仁を使うことがある。梅仕立ては、梅干しの裏漉(うらご)しをだし汁でのばした箸洗いの一種である。丸吸いはスッポンを種にしたもので、材料の持ち味を生かした澄まし汁のうちでは最高のものである。潮汁はおもにタイの頭や骨を用いるが、ほかの白身魚の中落ちや頭とか、貝類、エビなどを用いることもある。フランスのブイヤベースも潮汁の一種とみてよいだろう。鶉椀(うずらわん)は、野生ウズラを用いたころは超高級の料理とされ、これを専門とする料理屋があり、いまも存在するが、養殖のウズラは希少性がないので往年のような価値観はない。吉野汁は澄まし仕立てのものだが、葛(くず)を引きとろみを与えるので冷めにくく、口あたりがいいので、種によってはこの手法を用いる。雑煮は、京都・大阪方面では汁が濁ったものが多いが、関東は澄まし汁仕立ての雑煮で、澄まし汁のグループに入れてよいものが多い。

[多田鉄之助]

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「澄まし汁」の解説

すましじる【澄まし汁】

だし汁を塩・しょうゆなどで調味した透明な汁物。旬(しゅん)のものを汁の実に用いることが多い。◇「おすまし」ともいう。「清まし汁」と書くこともある。

出典 講談社和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典について 情報

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