(読み)レイ

デジタル大辞泉 「澪」の意味・読み・例文・類語

れい【澪】[漢字項目]

人名用漢字] [音]レイ(漢) [訓]みお
船の航行に適した水路。みお。「澪標れいひょう
難読澪標みおつくし

み‐お〔‐を〕【×澪/水脈/水尾】

《「みず」の意》
浅い湖や遠浅海岸水底に、水の流れによってできる溝。河川の流れ込む所にできやすく、小型船が航行できる水路となる。また、港口などで海底を掘って船を通りやすくした水路。
船の通ったあとにできる跡。航跡。「遊覧船が―をひいてゆく」
[補説]書名別項。→

みお【澪】[書名]

長田幹彦小説および同作を表題作とする小説集。作品は「スバル」誌の明治44年(1911)11月号から明治45年(1912)3月号にかけて連載。作品集は明治45年(1912)の刊行で、ほかに「母の手」「零落」などの作品を収める。

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改訂新版 世界大百科事典 「澪」の意味・わかりやすい解説

澪 (みお)

三角州などの遠浅で泥質の干潟の表面にえぐられた河川延長上の浅い水路。屈曲分岐することが多い。軟らかい砂泥からなり,高潮時には海面下に没するため,波や流れによって形態が変化しやすい。東京湾,大阪湾,伊勢湾有明海などの内湾奥部に多い。とくに潮差の大きい有明海北部では流路は直線的で,両岸に自然堤防が形成されている。澪は小型船の交通路として利用されるが,伊勢湾台風の高潮のように高潮や津波が遡上して潮位を高め大被害をもたらすことがある。澪は湖沼底の一般に湖流の強い所にも生ずる。なお澪の所在を示す航路標識を〈澪標(みおつくし)〉といい,〈身を尽くし〉にかけて万葉以来歌語に用いられた。
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百科事典マイペディア 「澪」の意味・わかりやすい解説

澪【みお】

川,海,湖沼の底にできる細長い溝で小型船の航行に適するようなところ。河口付近では川の延長上の潮間帯に流れでえぐられた浅い水路としてでき,屈曲が著しく,分岐する場合が多い。湖沼底では湖流の強い部分が溝状に浸食されてできる。特に汽水湖に多い。
→関連項目澪標

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「澪」の意味・わかりやすい解説


みお
fairway

干潟や河口とその付近,湖沼で溝状になっている凹地。水流によって砂や泥,石などが除かれ,そこだけ水底が深くなり,小舟などの水路に適する。日本でも北浦 (茨城県) や浜名湖 (静岡県) などで澪が小舟の水路として利用されているが,澪は流れや波によって変形しやすいのと,屈曲や分岐が多いので,航行は注意を要する。

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