こき‐いろ【濃色】
〘名〙
① 濃い染め色。濃く強い色あい。のうしょく。
※
歴世服飾考(1893)八「濃色とは何色にても云べき事なれども
装束の上にては濃蘇芳を云なり」
② 染め色の名。濃い紫色。または、濃い紅色。
※
玉葉‐治承三年(1179)一一月五日「彼度被
レ下
二濃色御衣
一、依
二幼主
一歟、今紅色也」
※
山家集(12C後)下「紅にあらぬ袂のこき色は焦がれて物をおもふなりけり」
③
織色の名。経
(たていと)、緯
(よこいと)ともに濃い紫で織ったもの。〔
桃花蘂葉(1480)〕
のう‐しょく【濃色】
〘名〙 色あいが濃いこと。濃い色。
※新撰朗詠(12C前)上「流れに落つる濃色は秋の風脆し、岸を打つ
寒声は晩の浪香し〈
兼明親王〉」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の濃色の言及
【染色】より
…カチオン染料は一般にpH3~5の酸性浴で染められるので,まず染料を少量の60%酢酸で練り,40~50倍量の沸騰水を加え溶解し,50℃とし,これに助剤として酢酸ナトリウム,60%酢酸,無水ボウ硝,界面活性剤を加えて染浴とする。50℃でアクリル繊維を入れ80℃に昇温,さらにゆっくり沸騰させ,淡色で30~60分,濃色で60~120分沸騰染色後,徐冷して水洗する。
[捺染]
捺染は織物上に染料を含む捺染のりを印捺して模様染を行うことである。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」