濃飛流紋岩類(読み)のうひりゅうもんがんるい

改訂新版 世界大百科事典 「濃飛流紋岩類」の意味・わかりやすい解説

濃飛流紋岩類 (のうひりゅうもんがんるい)

岐阜県飛驒,東濃地方から長野県木曾地方にかけて分布する白亜紀後期の酸性火山岩類。古くは花コウ質斑岩,石英斑岩などと呼ばれたが,1960年代初めに主として溶結凝灰岩からなることが明らかにされ,現在の名称に変わった。北西~南東方向に約120km連続し,厚さは2000m以上で,全容積は1万km3を超える。花コウ斑岩など同源の半深成岩類を各所に伴い,また白亜紀末の花コウ岩類の貫入により,広く熱変成作用を受けている。乾陸上に堆積した大規模火砕流堆積物の好例類似の火山岩類は西中国から北関東にまで広く分布し,西南日本内帯の大きな特徴となっている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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