檀一雄(だんかずお)の長編小説。1955年(昭和30)11月『新潮』に発表した『誕生』(単行本では『微笑』の一部となる)を第一作に、以来20年間にわたり断続連載。75年10月新潮社刊。日本文学大賞、読売文学賞受賞。小説家の桂(かつら)は、1人の病児ほか4人の子を抱える妻を置いて家を出、新劇の女優恵子との同棲(どうせい)生活に入るが、ふとしたことで恵子の過去に疑惑を抱き、懊悩(おうのう)する。やがて恵子との恋は終わり、病児も死ぬ。すさまじいまでに奔放自在に生きまくる作者自身の姿をさらけだすことによって、倫理や因襲、思惑のなかで生きる現代人に、人間とは何ものかと問いかける。響きの高い文体の底に流れる無常観が胸を打つ、晩年の力作である。
[沖山明徳]
『『火宅の人』(新潮文庫)』
敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...
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