火床(読み)ひどこ

精選版 日本国語大辞典 「火床」の意味・読み・例文・類語

ひ‐どこ【火床】

〘名〙
① 箱の中に土を塗りかためて作った火入れいろりのようなもの。
※浮世草子・立身大福帳(1703)六「火どこのすへやう、こしきへ風のあたりて、中のさめぬやうにとて」
② 船中に①を設けた間所(まどころ)。大型和船のやぐら内に設ける炊事用の間。ふつう胴の間と艫の間のあいだにある。火床の間。世事(せいじ)。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※浮世草子・懐硯(1687)一「情ある人々は胴の間に乗うつりければ、我は火床(ひトコ)の前に身をすすめて」
ボイラー燃料をたく所。格子から、燃えがらが下に落ちるようになった装置
機関車に巣喰ふ(1930)〈龍胆寺雄〉「火床(ヒドコ)の歪んだ鉄格子の上」

ほ‐ど【火床】

〘名〙
① 火をたく所。特に、いろりの中心の火をたくくぼんだ所。
津軽の野づら(1935)〈深田久彌〉山の小屋「火土(ホド)を掘って小さい木片を下に大きな薪をその上に重ねて」
② 一般に、炉の燃焼室の床。
③ 鍛造用の簡単な炉。燃焼をよくするために羽口から送風して調節する。燃料には木炭粉炭コークスなどを用いる。

か‐しょう クヮシャウ【火床】

〘名〙 ボイラーの、火をたく所。

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デジタル大辞泉 「火床」の意味・読み・例文・類語

ひ‐どこ【火床】

ボイラーの燃料をたく所。格子状で、燃え殻を下に落とす。
箱の中に土を塗り固めて作った火入れ。

ほ‐ど【火床】

いろりの中央にある火をたくくぼんだ所。
鍛造用の簡単な炉。

か‐しょう〔クワシヤウ〕【火床】

ボイラーの燃料をたく所。

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食器・調理器具がわかる辞典 「火床」の解説

ひどこ【火床】

➀箱の中に土を塗り固めたかまど
店先屋台などで焼き鳥などを焼くのに用いる、ステンレスなどの金属製の箱の中に熱源を組み込んだ調理機器。また、焼き鳥屋・うなぎ屋・和食店などで焼き鳥・蒲焼き・焼き魚などの焼き物を焼く機械の、同様の形態の熱源部分。熱源は炭火・ガスなど。

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