火田(読み)カデン

デジタル大辞泉 「火田」の意味・読み・例文・類語

か‐でん〔クワ‐〕【火田】

朝鮮半島北部の山岳地帯で多く行われた焼き畑。山野を焼き払い、その跡に雑穀を耕作し、地力が尽きると他へ移る。

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精選版 日本国語大辞典 「火田」の意味・読み・例文・類語

か‐でん クヮ‥【火田】

〘名〙
① (「田」は田猟で、狩のこと) 田畑草木を焼いて、狩をすること。〔礼記王制
② 焼き畑。また、特に、朝鮮半島で行なわれる焼き畑をいう。半島北部、蓋馬(ケマ)高原に多く行なわれ、粟、大豆馬鈴薯などが栽培される。
本朝無題詩(1162‐64頃)七・於室積泊即事〈藤原周光〉「沙村静処謁漁叟、借問火田輸幾租」 〔白居易‐東南行〕

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普及版 字通 「火田」の読み・字形・画数・意味

【火田】か(くわ)でん

焼畑。また田猟。〔礼記、王制〕木零して、然る後に山林に入る。昆蟲未だ蟄(ちつ)せざるときは、以て火田せず。

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世界大百科事典(旧版)内の火田の言及

【火田民】より

…施肥をしないので3~5年で地力が消耗すると他に移り,10年前後放置したのち再び耕作する。火田の記録は新羅時代にさかのぼるとされるが,李朝時代に流亡民が役・税を免れて火田民となる傾向が強まった。李朝政府は何度も火田禁止,税の賦課を命じたが,火田民は減少しなかった。…

【村】より

…農村には平地や山麓の緩傾斜面に位置するものが圧倒的に多く,これに対して林業や漁業は生業としての基盤が弱いため漁村や山村は日本に比べて少ない。そのなかで,火田(焼畑)の伝統を有したむらは深い山間部にあり極端な散村形態を示す点でユニークな存在である(火田民)。むらの立地面でもかつては風水(風水説)が村人の生活の隅々を左右するものとして重視され,背山臨流や蓮花浮水型などの佳地を選んだといわれ,またむらに災害や伝染病が続いたりした際に風水上の支障があると判定されたためむらを移したという伝承も多い。…

※「火田」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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