灯籠鬢(読み)トウロウビン

デジタル大辞泉 「灯籠鬢」の意味・読み・例文・類語

とうろう‐びん【灯籠×鬢】

江戸時代女性髪形の一。左右の鬢に鯨の骨製の鬢差しを入れて張り出させ、毛筋が透けて見えるようにしたもの。明和安永(1764~1781)のころ遊里流行

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精選版 日本国語大辞典 「灯籠鬢」の意味・読み・例文・類語

とうろう‐びん【灯籠鬢】

〘名〙
① 明和・安永(一七六四‐八一)の頃、遊里で流行した女の髪型の一つ。両鬢の中にくじらの骨で作った鬢差を入れて張り出させ、毛筋がすけて見えるようにしたもの。鳥籠鬢(とりかごびん)
浄瑠璃・四天王寺伶人桜(1769)三「わしゃ髩裏(つとうら)と鯨の張出し、是がないと、燈籠鬢(トウロウヒン)が出来ぬ故」
② ①の髪型をした女。芸妓娼妓をいう。
※咄本・春袋(1777)鎗持「やり持ふり向ば、十六七のとうろうびんが、いとを持て居る」

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世界大百科事典(旧版)内の灯籠鬢の言及

【髪形】より

…髷の中の笄を引き抜くと髷がほどけ垂髪の状態になり,平安時代以来の垂髪の伝統をのこしている。江戸後期は鬢中心の時代で,髱と前髪は目立たぬ髪形となり,鬢には安永(1772‐81)ころ,鬢張(びんはり)というものが工夫され,横に大きく張り出した灯籠鬢が流行した。この派手な鬢とともに,髷も多岐にわたり,島田髷も文金島田,つぶし島田,きりずみ島田などが結われ,勝山髷も前期の細い髷から,大きな幅広の髷に変わった。…

※「灯籠鬢」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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