炉辺談話(読み)ロヘンダンワ(英語表記)Fireside Chat

デジタル大辞泉 「炉辺談話」の意味・読み・例文・類語

ろへん‐だんわ【炉辺談話】

ろばたでくつろいでするよもやま話。
米国フランクリン=ルーズベルト大統領が、1の形で政見などを国民に直接訴えたラジオ放送

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精選版 日本国語大辞典 「炉辺談話」の意味・読み・例文・類語

ろへん‐だんわ【炉辺談話】

〘名〙 囲炉裏そばでくつろいでするおしゃべり。炉ばたの四方山話
※放送ばなし(1946)〈和田信賢〉四「その炉辺談話の如きは、金曜日の夜ラジオを通じて行はれるルーズヴェルト独特の政見発表方法であって」

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改訂新版 世界大百科事典 「炉辺談話」の意味・わかりやすい解説

炉辺談話 (ろへんだんわ)
Fireside Chat

アメリカ合衆国F.D.ローズベルト大統領が1930年代にニューディール政策実施にあたり,世論支持を得るために全国的なラジオ放送網を通して行った政策説明。大統領就任8日後の1933年3月12日に初めて行われた。国民が〈炉辺fireside〉で直接大統領の談話を聞けるように意図したもので,ローズベルトの重要な政治手段の新機軸の一つであり,彼のよく響く声と雄弁の才がものをいって,世論操作の点できわめて効果的であった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「炉辺談話」の意味・わかりやすい解説

炉辺談話
ろへんだんわ
fireside chat

アメリカの F.ルーズベルト大統領が国民へ直接語りかけたラジオ番組。ルーズベルトが不況克服のためにニューディールを国民に約束して大統領に当選し,就任した 1933年,彼が初めてラジオの普及を利用して,暖かみのある声と力強い語調で聴衆を魅了し,世論を喚起したことに始る。それ以来,大統領の「炉辺談話の時間」は有名になった。 40年 12月に日本,ドイツイタリア枢軸国に対抗して,アメリカがいわゆる「民主主義の兵器廠」となると語ったのもこの炉辺談話である。政治学的にみれば,ラジオというマス・メディアを使用しての世論操作といえる。

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世界大百科事典(旧版)内の炉辺談話の言及

【演説】より

…ヒトラーの場合のように,演説が感情に訴える度合いを強め,理性の意識的な遮断や鈍化に向かうと,それは扇動に転化する。一方,ラジオやテレビなどマス・メディアの発達は,多人数を相手とする熱弁とは異なる演説を生みだしており(1930年代にF.D.ローズベルトがラジオで放送した座談形式の炉辺談話はその先駆),民衆の親しみやすさが重視される。政談演説【妹尾 幹】【編集部】。…

※「炉辺談話」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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