炭化ホウ(硼)素(読み)たんかほうそ

改訂新版 世界大百科事典 「炭化ホウ(硼)素」の意味・わかりやすい解説

炭化ホウ(硼)素 (たんかほうそ)

ホウ素炭化物には,BCからB6Cまでの組成のものが存在するとされているが,最も確実なものはB4Cで,ふつうこれを炭化ホウ素と呼んでいる。比重は2.51,融点2450℃,ヌープ硬さは約2800。工業的には酸化ホウ素B2O3炭素とを2500~2600℃に熱してつくる。硬度が高いため,粉体は高硬度セラミックスのラッピングや超音波加工の砥粒に用いる。耐酸化性に乏しいため,研削といし(砥石)の形にして使うことはほとんどない。焼結体はノズル,加工ジグに用いる。熱中性子の吸収能力が大きく,高温における蒸気圧がきわめて低いため,原子炉の制御材として利用され,高温原子炉用材料として注目されている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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