焙燥(読み)ばいそう

飲み物がわかる辞典 「焙燥」の解説

ばいそう【焙燥】


麦から麦芽を作る際に、発芽したところでその進行を止めるために加熱によって乾燥させること。から煎りしたり温風をあてたりして行うが、コーヒー豆などの焙煎ほど温度を上げず、ビールに用いるものでは、もっとも一般的な淡色麦芽なら80℃くらいまでで焦がさない程度に加熱し、黒ビールなどに用いる濃色麦芽でも120℃くらいまでで焦げ色がつく。このほか、一般的な濃色麦芽をこえる高温で加熱する「カラメル麦芽」や「チョコレート麦芽」、淡色麦芽よりやや高い90℃程度まで上げて加熱するやや色の濃いエールなどに用いるものなどがある。麦芽の酵素が活性を保てるのは90℃で焙燥するものまでで、それ以上の温度で加熱した麦芽はでん粉を糖化する働きはしなくなり、色や風味の特徴を持たせるために使う。⇒ビール製麦

出典 講談社飲み物がわかる辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の焙燥の言及

【ビール】より


【製造法】
 ビールの製造は,(1)主原料である大麦から麦芽を造る製麦工程,(2)麦芽,副原料,ホップからビールを造る醸造工程,(3)ビールを製品化するパッケージング工程に3大別できる。
[製麦工程]
 製麦は,浸麦,発芽,焙燥(ばいそう)の各工程よりなる。収穫後水分10~13%にまで乾燥した大麦は少なくとも6~8週間保存して休眠を終わらせた後,精選して夾雑(きようざつ)物を除き粒の大きさをそろえる。…

※「焙燥」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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